街の達人たちNo.12 (株)やまつ辻田 辻田浩之さん

たかの爪に注ぐ真赤な情熱

西高野街道で「たかの爪」を守り伝える四代目

ああ、なにかピリリとした刺激が欲しい!そう思うこと、たまにありませんか?
刺激といえばスパイス。
七味唐辛子など和風香味料を作り続けること百余年という老舗、「やまつ辻田」を訪問しました。

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西高野街道沿いの福田地区。街道筋にはどっしりとした旧家や小さな祠、そして古い石の道標。どこか懐かしさを感じさせる景観は、高野参詣道として、また物資の輸送経路として隆盛を極めた時代の面影を今に伝えています。

街道から少し逸れると田畑が目に入ります。かつてこの一帯は「たかの爪」の大産地。最盛期には畑一面が真赤に染まるほどだったといいます。
やまつ辻田では代々地元で採れるたかの爪を商品に加工し、販売してきました。

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やまつ辻田の四代目、辻田浩之さんです。
玄関先の梁に頭が届いてしまうほど大柄な辻田さんですが、“前掛け”にもご注目あれ。そう、可愛らしい唐辛子柄!失礼ながらそのコントラストの妙に意表を突かれ、思わずクスリ。それまでの緊張がゆるりと解けていきました。
「たかの爪に恋をしているから。」と辻田さん。なるほど、仕事着にも愛が注がれています。


高校の英語教師だったという辻田さん。平成6年に先代から家業を受け継ぎます。ただし地元でたかの爪が栽培されていたのは昭和30年代まで。栽培や摘み取り作業に手間がかかるという理由から、他の農作物に切り替わっていったのです。
昭和37年生まれの辻田さんは真赤に染まった畑を知らない世代。とはいえ、そこは恋に落ちたお相手!たかの爪に対する想いの強さは半端ではありません。


「たかの爪」は唐辛子を指す別名だと思われがちですが、そうではなく、何百種とある唐辛子の1品種なのだとか。しかも驚くことに、現在日本で流通している唐辛子の99%は外国産。国産純粋品種のたかの爪は、今や稀少な存在となってしまいました。

たかの爪はうっかりすると他種と交配してしまいます。

「自分が守り抜いて次世代に継承する。」

辻田さんは信頼できる全国の農家と契約を結び、作付から収穫までを委託することにしました。
「もちろん契約農家を自分で回って生育状況を確認しています。」
当主自ら最前線に立つ姿は凛として素敵です。「男はロマンチストで執念深いからね。でもやり遂げるためには覚悟が必要。」と言いながらノートに書いてくださったのが・・・

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「兀々地春夏秋冬 」 (こつこつじしゅんかしゅうとう) とはすなわち、結果うんぬんではなく今を精いっぱいやり抜く、ということ。
「だから一瞬一瞬を真剣に生きなければ。」ピンと背筋が伸びる思いです。
なんだか辻田さんご自身がスパイスのよう。


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「国内産大辛鷹の爪一味唐がらし」を手に載せてテイスティング。ふわりと肌理が細かく、なんといっても香りがすがすがしくて甘い!後からじんわりと辛味が効いてきます。今まで使っていた一味って何だったの?歴然とした差に驚かされます。

「七味唐がらし」の配合レシピは門外不出の一子相伝。
「材料を見ただけで、どう配合すべきか、僕には瞬時にわかるんです。」その卓越したセンスは誰しも持ち合わせているものではありません。
「社内の側近にもこれだけはまかせられない。」

※写真のパッケージ商品は、80円切手を貼れば郵便物として郵送することができます。

デパートの催事における対面販売は、先代から引き継いだ大切な仕事のひとつ。
七味はお客さんの目の前でブレンドします。
「催事はおもてなし。真心を尽くして作る“心付きの商品”を売っているんです。お客さんと会話をしながら七味にイタズラをすることもあります。」
え?というと?
「“うれしい七味”といって、基本の配合に柚子を多めにプラスしたり。」
イタズラを求めて長〜い行列が出来ることもしばしば。

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こちらは大阪タカシマヤのかきたねキッチンとコラボした商品。店頭に並ぶや即完売の人気商品になりました。(夏季限定のため販売は終了しています)

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「面白い食べ方をお見せしましょうか?」
目の前に出てきたのは「実生柚子香味ぽん酢」と、青菜のおひたし。
「こんな風におひたしにかけると美味しいですよ。」
野菜にやさしい酸味、うま味、甘みが加わり、なんとも嬉しい味のハーモニー。
料理界のプロをも唸らせるという話題のこのぽん酢。国産無農薬原材料のお醤油・お酢・柚子を使った香り高い一品です。柚子は、つぎ木をせず種から成木に成長した貴重な「実生(みしょう)柚子」を使用しています。辻田さんは季節になると高知県北山村に出向き、収穫を手伝っているそうです。

次に「実生柚子こしょう」を。
あえて粒を残した柚子の触感が楽しいですね!「餃子のたれに入れても美味しいです。」
頭の中をくるくるとメニューが回ります。

写真奥の2点は「大からから極上七味」と「大からから名代柚七味」。
こちらは9月30日までの夏季限定商品です。

高校生の長男が跡を継ぐと言ってくれていると嬉しそうな辻田さん。
将来の夢は?の問いに、
「たかの爪の伝導です。生涯をかけてやり遂げたいと思っています。」と。
ピリリと心に刺さり、響きます。

西高野街道から届けられる心付きのスパイス。心ある人の食卓と人生を、さらに豊かにしてくれることでしょう。

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浜子姉さんが、お土産に頂いた香味ぽん酢を使って、ぽん酢ジュレを作ってくれました。アスパラに鱧に鯛。うふふ。今晩は御馳走です。ぽん酢ジュレの作り方はやまつ辻田の公式サイトに掲載されています。みなさんもぜひどうぞ。


株式会社やまつ辻田
堺市中区福田280
TEL.072-236-1223
FAX.072-234-4826
9:00〜17:30(予約注文のみ対応)
土・日・祝休

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